「フォーラム平和・人権・環境」事務局長が語る
今回、「関生弾圧の不当性」について、社会運動団体の全国組織である「フォーラム平和・人権・環境」の勝島一博事務局長に語っていただいた。
以下は滋賀での記者会見(本年2月)でのご発言をご本人の了解のもとに編集したものです。
関生支部にかけられた不当弾圧は、人権を脅かす問題であり見過ごすことはできない。
一連の不当逮捕・長期勾留は関生支部を狙い撃ちにした、警察・検察・裁判所が一体となった不当弾圧であり「労働組合つぶし」と言うべき行為である。労働三権は憲法に定められている権利であり、不当弾圧は労働組合としての「命」が脅かされる問題であり、非常に憤りを感じている。
特に、憲法28条および労働組合法第1条2項にある「労働組合の活動は保証され、刑事罰にはならない」とする権利が踏みにじられ、三つの権力が介入してきている。本来、法を守り法に従わなければならないはずの彼らが法を踏みにじり、労働組合の正当な活動に介入し、弾圧を仕掛けていることを見過ごすことはできない。
■広域協組の約束不履行が原因■
一連の事件は、一昨年12月のストライキが発端だ。このストライキは、労働組合の組合員の賃金・労働条件を向上させることと大阪広域協組の民主的な運営を求めたものである。
この間、中小零細企業の集まりである協同組合を立ち上げ、セメントメーカーや大手ゼネコンに抑圧された業界を立て直すために労働組合が協力してきた。そのことによって生コン価格の引き上げに成功し、段階的に賃金を向上させる約束を勝ち取っていた。
しかし、大阪広域協組はその約束を反故にし、それについて協議を重ねてきたが、結局、約束が果たされることはなかった。そのため、やむにやまれずストライキに突入したというのが経緯である。
■違法摘発は労働組合の役割■
また、建設現場では関係する諸法令が守られず、そのことによって建造物の品質が保てなくなるという事態が発生。これに対し、法令違反を摘発して改善を求めていくことは建設産業に携わる労働組合の使命である。
関生支部は建設現場の安全確保や建造物の品質確保、建築基準を守らせる活動に取り組んできた。労働組合のこうした活動に対して弾圧を仕掛けることは、法律を守らせる立場にある警察・検察・裁判所として本末転倒ではないか。
私たちは不当逮捕・長期勾留されている組合役員の保釈と、弾圧を受け、不当にも起訴された仲間全員の無罪を勝ちとるため全国的に活動を展開する。
【 くさり4月号より 】